日本の野草図鑑~懐かしい草花~

日本の野草図鑑~懐かしい草花~

自然育ちの私が好きな野草や花卉、野菜について語っています。

見て美しい。食べておいしい。食べられる野草・植物

春の七草に代表されるように、身近に生えてる植物たちは意外に食用にできるものも多い。食用にできる植物は数多くあるが、今回はその中でも花や葉などの見た目も美しく、目も楽しませてくれる植物たちをご紹介したい。

 

 

 

①ノビル

画像

ニラなどに似た香りを持ち、葉や地下の鱗茎を食用にできる。ヒル(蒜)というのはネギの仲間の古称らしい。有毒な植物と間違われる例も時々あるため注意したいが、比較的どこにでも生えかつおいしく食べられる。その花はあまり気にとめることは無いかもしれないが、よく見るととても繊細できれいな花をしている。太陽に向かって伸びる花茎は、皮が切れないように少しずつ折って剥がしてを繰り返すとネックレスができ子供の遊びなどで使われる。

 

②ブタナ

画像

タンポポモドキとも。花だけ見ると確かにタンポポなど他のキク科植物と区別が難しいが、全体の草型は大きく異なりタンポポよりも花茎が非常に細長い。ブタナの和名はフランス語の俗名を和訳した「ブタのサラダ」に由来しているらしい。ハーブとして人間の食用にもされるそう。

 

③ガマズミ

画像

春から初夏に花をつけ、秋には小さな赤い実がたくさん生り食用にできる。長めのしべが真っ白な花のアクセントになっておりかわいらしい。同じレンプクソウ科のゴマギの花と似ている。赤い実は染め物にも利用される。

 

ヤマボウシ

画像
画像

梅雨の晴れ間の太陽の下真っ白な花が美しい。名前は真ん中の丸い部分が僧侶(山法師)の頭に似ていることから名付けられたそう。秋には紅葉し、赤い実をつける。実は食用にでき、一年を通して楽しませてくれる植物だ。

 

ユキノシタ

画像
画像

その名の通り冬場も枯れずに葉をつけて越冬し、初夏にかけて花芽が伸びて白く美しい花をつける。写真のように下2枚の花弁のみが大きいという特徴的な形をしており、上三つの小さなピンク色の花弁なども見れば見るほどかわいらしい。山菜としても有名で、葉を食用とすることができる。

 

⑥ソクズ

画像
画像

花は非常に小さいが拡大してみるととてもかわいい。白い花に混じる黄色いものは蜜壺と呼ばれ、個々の花ではなくここに蜜をためるという面白い構造をしている。別名クサニワトコといい、薬草としても用いられる。実や若芽を食用にできるらしい。

 

⑦ウド

画像

山菜として非常に有名だが実は花もかわいらしい。同じウコギ科のヤツデに花や実がそっくりだ。スズメバチなど昆虫が集まりやすい花だがこの日は空席だった。「独活の大木」ということわざは、ウドは大きく成長するが、大きくなると食用には向かず、また柔らかいため木材としても使えないことから、体ばかり大きくて役に立たないことを言う。

 

ツワブキ

画像
画像

フキに似た葉をしており、フキと同様に茎は食用となる。黄色い花が美しく、観賞用にも広く楽しまれており、公園などでよく見かける。花が少ない冬に目を楽しませてくれる数少ない野草の一つだ。種はキク科らしく綿毛でタンポポの様になる。

 

⑨コヨメナ

画像

名前は嫁のようにかわいらしい花を咲かせることに由来するという説がある。淡い紫色の花弁がとてもかわいらしく、やや後ろに反り返っていることが特徴。若い芽が食用になることでも有名。秋を代表する草花の一つだ。

 

⑩シラヤマギク

画像
画像

シロヨメナなどほかの野菊と比較すると花弁が少なめで印象はやや異なる。素朴だがノギクらしく味わい深い。若い芽を食用にすることができ、ヨメナに対してムコナと呼ばれるそう。

 

ホウキギ

画像

コキアとも。赤く色づいた姿がなんとも美しい。名前は乾燥した茎を箒に使うことから。紅葉が美しい印象が強いが、実は食用にもなるそうで秋田では郷土料理・とんぶりとして食されているらしい(観賞用品種と食用品種がある)。また、実は薬用にもなるそうで多方面から人間の役に立つ植物である。

 

⑫シャクチリソバ

画像
画像

ソバに似たきれいな花。シャクチリソバといい漢名の「赤地利蕎麦」に由来するらしいがなぜ赤地利かは分からないそう。シュッコンソバとも。花や実はソバそのものだが実は食用に適さないそう。代わりにハート形の特徴的な葉は若葉が食用になる。

 

キツネノカミソリ

画像

なんとも言えない色合いと繊細な形が美しい。色や咲く時期こそ異なるが、花や蕾の形はヒガンバナそのものである。ヒガンバナはその名の通り彼岸に、キツネノカミソリはお盆頃に咲くため区別は容易だ。名前はカミソリのような葉の形と、キツネノ体色のような花色から来ているそう。ヒガンバナと同様鱗茎は有毒だが毒抜きして食用にしていたらしい。

 

ギボウシ

画像
画像

名前は蕾の形が橋神社などに付いている擬宝珠に似ていることから名付けられたそう。若芽や若葉は食用とでき山菜として日本各地で食されている。葉が斑入りの物も園芸用に広く栽培されている。初夏に咲く花は涼しげで美しい。